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- 2021年度卒業論文要旨
河野 佑真
現代における遠州秋葉信仰の様相
【キーワード:秋葉信仰、明治維新、神仏分離、シンクレティズム、聖地巡礼】
本研究は、静岡県浜松市春野町に位置する秋葉山に対する神仏習合の信仰である秋葉信仰が現在においてどのような形になっているのか、また現代の人々が秋葉信仰をどのように認識しているのかを明らかにすることを目的としたものである。
本論文は6章構成である。
第1章では、前述の研究目的と背景を述べる。
第2章では、本研究に関わる先行研究の説明をしており、主にシンクレティズムと聖地巡礼ツーリズムの2つの理論的テーマを取り上げている。
第3章では、調査の対象である秋葉山本宮秋葉神社および秋葉山秋葉寺に関連する基本的な情報や秋葉山秋葉寺における火祭りの様子、秋葉信仰の歴史について概説する。
第4章では、筆者が実施したフィールドワークや聞き取り調査、および倫理上の注意点について述べる。
第5章では、主に参詣者の方々へのインタビューと現地の周囲環境の観察から、現代の遠州秋葉信仰における様相を描く。フィールドでの参詣者の方々へのインタビューや天竜スーパー林道と昔ながらの表参道の二つの参詣経路の比較、秋葉山本宮秋葉神社における火祭りの様子や参詣風景の観察、といった多角的な視点から人々の秋葉信仰に関する認識を考察してゆく。
最後の第6章では、これまでのフィールド調査の結果を統括したうえで、現代の秋葉山の参詣者における秋葉信仰への認識を考察し、現在の参詣者の認識には二種類があると結論付けている。