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- 2019年度卒業論文要旨
内島 裕哉
人類学で見るアニメ聖地巡礼
アニメ聖地巡礼は宗教と解釈できるのか
【キーワード:聖地、巡礼者、聖なるもの、まなざし、つながり】
第1章序論では、本研究の目的およびどのよう意義があるかについての説明がなされる。
第2章では、本研究に関わる先行研究の説明をしており、主に聖地巡礼についてと、聖なるもの、観光のまなざしという3つの理論的テーマを取り上げている。
観光のまなざしでは、従来の観光学的な視点について触れている。聖なるものについては、ルドルフ・オットーの『聖なるもの』の中のヌミノーゼという要素に着目し、そのヌミノーゼを発現させる要素についてまとめている。聖地巡礼に関しては、従来的な聖地巡礼を検討したうえで、今回取り扱ったアニメ「聖地巡礼」の「巡礼者」にどのような類型が存在するのかについて指摘している。また、「聖地」の最初期例ともいえそうなものについて、触れている。
第3章では、自分が実際に行った調査地の概要や調査地での様子を取り上げている。また、後日、インタビューを実施し、その場で、どのような感慨を抱いたかについてを聞き取った。
第4章では、第2章での理論的テーマを用いて、第3章での現場の様子を分析している。まず、観光のまなざしという論点から「聖地巡礼」を検討してみた。そして、従来の聖地巡礼者とアニメ「聖地巡礼者」との相違点について論じている。次に、その相違点を踏まえて、「聖地巡礼の」聖なるものの存在について論じてみた。そして、最後にそれらの理論をすべて踏まえたうえで、市長の拍手という事象に焦点を当てて、分析のまとめとした。
第5章では、結論を付した。今回の研究の目的である、アニメ「聖地巡礼」の宗教的にとらえられるか否かに触れ、最後は聖地巡礼というものそのものについて触れている。