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教授
山口 未花子YAMAGUCHI Mikako

研究室
文学部棟408
MAIL
mikakoy(a)let.hokudai.ac.jp
URL
https://www.1101.com/mikako_yamaguchi/index.html

山口 未花子  人類学の中でも特に人と動物との関係に焦点を当て、主に2つの領域について調査研究を実施しています。
 生態人類学や文化生態学の観点からは、人類史の99%以上を占める狩猟採集生活を明らかにすることが人間の初源的なあり方を知る上でとても重要だということが言えるでしょう。現在の狩猟採集民やそこにつながる文化や思考は、歴史を通じて不変のものではなく、再生産されてきたものですが、それでも人が自然と向き合うなかで作り出してきたという点で多くの共通項を持つものと考えられます。なかでも動物は、人類の最も古い痕跡の一つである洞窟壁画のモチーフになるなど、常に重要な存在でした。現在の狩猟採集民も動物にも霊性を認めるアニミズムや、人と対称で人格を持つ存在、という動物観をもっていますが、こうした動物への態度が狩猟という活動を通じてどのように形成されたのかを探っています。
 もう一つの関心は、動物と人がともにあることを巡る論考です。マルチスピーシーズ人類学とも呼ばれるこうした潮流は、人間中心主義からの脱却を促し、人以外の様々な存在とともにある私たちの現在地を照らし出します。しかし人以外の存在の視点にたつということはそれほど簡単なことではありません。そのために、狩猟採集民の思考と実践を経験的に学んだり、日本でも狩猟を実践するなど人だけでなく動物も対象にしたフィールド調査の手法を用いています。
 これまでに実施したフィールドワークとして、カナダ・ユーコン準州の先住民カスカと内陸トリンギットにおける人と動物の関係、日本の西表島のイノシシ猟、宮城県牡鹿半島の漁業と捕鯨、そして岐阜での実践的な狩猟が挙げられます。

学生へのメッセージ

実は私も北大の学生として過ごした時期があります。自分の研究だけでなく、友人のフィールドに遊びに行ったり、アイヌ文化について学んだり、北海道の自然とそこで営まれてきた人々の暮らしから多くを学びました。大学生活を送る場としてはもちろん、人と自然との関係をめぐるフィールドとしても優れた環境である北海道で、文化人類学という経験的な学びを通じて自分の世界を広げてみませんか?

主な業績

  • 『ヘラジカの贈り物 : 北方狩猟民カスカと動物の自然誌』春風社、2014年
  • 『動物と話す人々」『人と動物の人類学』(奥野 克巳, 近藤 祉秋と共編著)、春風社、2012年
  • 「カスカの古老と絵をかく人類学者」『フィールドノート古今東西』(梶丸岳,丹羽朋子,椎野若菜編)古今書院、2016年
  • 「動物遺骸をめぐる対話:大阪市立自然史博物館における〈ホネホネサミット〉」『展示する人類学:日本と異文化をつなぐ対話』(高倉浩樹編)、昭和堂、2015年
  • 「牡鹿半島の集落における祭り復興の三つの型」『無形文化財が被災するということ:東日本大震災と宮城県沿岸部地域社会の民俗誌』(高倉浩樹,滝澤克彦編)、新泉社、2014年
  • A Struggle for Co-existence between the Euro-Canadians and the Kaska First Nations “Continuity, Symbiosis, and the Mind in Traditional Cultures of Modern Societies” (Takako Yamada & Takashi Irimoto eds.), Hokkaido University Press, 2011
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住所:〒060-0810 北海道札幌市北区北10条西7丁目 TEL:011-706-3223 MAIL:anthropology(a)let.hokudai.ac.jp

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