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教授
小田 博志ODA Hiroshi

研究室
文学部棟607
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oda(a)let.hokudai.ac.jp
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小田博志研究室

小田 博志チェコの強制収容所跡で、ドイツなど各国の若者たちに自らの体験を語るホロコースト生存者、2009年、このような”対話の場”が草の根の平和の基礎となる私の専攻は人類学です。この分野の魅力は、具体的な現場の研究と、数百万年におよぶ地球大の人類史とを共に扱えることです。極小と極大の結合です。前者の方法論を「エスノグラフィー」と言い、人類学者はフィールドワークを中心とする手法で、人々が生きる現場に身をもって関わります。後者に関して、約700万年前にアフリカで進化した人類は、その文化的能力を使って、地球上の様々な環境に応じた生活様式を発展させました。人類学では、その多様性と広がりを総合的に捉えます。

私は近年この人類学の立場から平和というテーマに挑んできました。他者と共に生きるために、人類は様々な工夫と知恵を生み出してきました。それを調べ、今後の平和な地球社会のために役立てようとするのが「平和の人類学」です。具体的に私はドイツをフィールドに、ナチズム後の草の根の和解の取り組みを調べてきました。次いで、ドイツとその旧アフリカ植民地の間の、植民地主義の歴史を踏まえた出会い直しについて調査を進めています。

また、最近では、自然と人間との関係性について関心をもち、各地の森林再生の現場を歩きながら、「人と自然とのつながり直し」、「人を含んだ自然」、そして自然/文化の分割を超えた「生きた世界」を捉えることについて考えています。

学生へのメッセージ

人類学では、そして文化人類学研究室では、自由で創造的な研究が可能です。私が担当する学部生向けのゼミ「エスノグラフィー入門」で履修生は自分のフィールドを見つけて、調査の能力を身につけます。大学院のゼミでは最先端のテーマに関わる文献を読みながら、それを自分の研究に活かすための議論を行ないます。ここでしかできない研究の場を用意しています。現場と知性とを融合する研究の扉をたたいてください。

主な業績

  • 『エスノグラフィー入門―〈現場〉を質的研究する』、春秋社、2010年
  • 『平和の人類学』(関雄二と共編著)、法律文化社、2014年
  • 『質的研究の方法―いのちの〈現場〉を読みとく』(波平恵美子と共著)、春秋社、2010年
  • 「足もとからの平和―北海道の「民衆史掘りおこし運動」から学ぶ」、『アイヌモシリと平和―〈北海道〉を平和学する!』(越田清和編)に所収、法律文化社、2012年
  • 「難民―現代ドイツの教会アジール」、『人類学で世界をみる』(春日直樹編)に所収、ミネルヴァ書房、2008年

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お問い合わせ・連絡先:北海道大学文学研究科・文学部 文化多様性論講座 文化人類学研究室

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