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教授
権 錫永KWEON Seok-yeong

研究室
文学部棟517
MAIL
kweon(a)let.hokudai.ac.jp
URL
北海道大学文学研究科・文学部 権錫永のページ

権 錫永1909年刊。侵略的帝国主義に対し、理想としての倫理的帝国主義を説いたもの私の専門は日本近代思想史、韓国文化史・社会史です。知識人の思想を縦糸、公文書などの史資料を横糸として日本近代・植民地の歴史を描いていく、それが私の研究です。日本の帝国主義とは何だったのか?それを「悪」とする前提から離れて、根本的かつ理性的な批判を繰り返しています。「帝国主義」は日本近代を貫く大きな問題であり、学生の皆さんの思考力を育てる上でも最高のテーマだと言えるでしょう。

「帝国主義」への関心は、「植民地とは何か」という問いにもつながります。植民地朝鮮の実相を明らかにするために私が選んだのは、オンドル(暖房システム)・白衣・陶磁器といった生活文化の研究です。韓国で出版した『オンドルの近代史』(2010年)はその成果の一つ。オンドルの近代史はそのまま帝国日本と植民地朝鮮の「重なり合い、絡まりあった歴史」です。それは日本・日本人を抜きにして語れない、隠れた日本近代史の一部分なのです。

学生へのメッセージ

権 錫永小川で洗濯する女性たち(1920年頃、北村生活史博物館展示写真)。白衣は朝鮮の常服。洗濯が大変そうだが、彼女たちもまた白衣姿なのだから驚く私の研究を支えているものは、「何事も自明視しない」姿勢です。自分の中にあるその特異なものを、私は「外国人の視点」と呼んでいます。日本を研究するときだけでなく、植民地朝鮮を考えるときにもそれは変わりません。研究者としての私の心は常に、魅力溢れる古都を訪れた旅人の心です。私は、できるだけ「境界に立つ」人でありたいとも願っています。一つの社会にどっぷり浸からないということです。そうでなくては、日本と韓国という二つの社会に対して「外国人の視点」で望むことはできないでしょう。どちらからも離れず、しかしまたどちらからも「他者」であり続ける―、ときには寂しさも感じますが、魅力的な人間のあり方の一つだと思います。

最後に宣伝を一つ。朝鮮研究を志す学生のために、大学院の授業をもう一つ開講し、発表と質疑応答すべてを韓国語で行うようにしています。韓国語による学会発表や論文作成も可能です。

主な業績

  • 権 錫永ムクゲで覆われた地図(『無窮花大典』ワイゼイ物産、1998年、ソウル)。ムクゲ(無窮花)は韓国の国花。女学生のこの刺繍は、日本統治期の民族主義の表現である。『온돌의 근대사-온돌을 둘러싼 조선인의 삶과 역사』[和訳:オンドルの近代史-オンドルをめぐる朝鮮人の暮らしと歴史]一潮閣(ソウル)、2010年
  • 「일본의 초기 제국주의론과 도덕 담론-국가적 도덕과 세계적 도덕, 또는 국민적 입장과 인류적 입장-」[和訳:日本の初期帝国主義論と道徳をめぐる議論-国家的道徳と世界的道徳、もしくは国民的立場と人類的立場-]、『근대전환기 서구학문의 전파와 동아시아학문』[和訳:近代の転換期における西欧の学問の伝播と東アジアの学問](선인、2013年、ソウル)所収
  • 「「北方」論のイデオロギーと戦略-〈南方-北方〉の対立構図に注目して-」、『歴史評論』第658集、2005年2月
  • 「日本における統制とプロパガンダ」、『岩波講座文学 第二巻 メディアの力学』(岩波書店、2002年)所収
  • 「帝国主義と「ヒューマニズム」-プロレタリア文学作家を中心に-」、『思想』第882号、1997年12月

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